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  • 2024.4.1
  • その他

木造住宅の多い日本における「地震に強い家」とは?建築基準法を満たした木造住宅や鉄筋コンクリートとの違いなどについて解説します。

世界的に見て地震の発生回数や大きい地震が多い日本。

日本独自の木造軸組工法や海外で主流の2×4工法。鉄筋コンクリートのRC工法など日本にはいくつかの工法や構造があり、地震に対してどのような備えや効果があるのか。

今回は、地震に強い工法や構造について解説していきます。

住宅の「建築構造」の違いについて

そもそも建築構造には、どんなものがあり、木造住宅やRC造とはどのような位置付けなのか。代表的な工法などをご紹介します。

・W造(Wood)…木造

木造住宅や木造の工法において木造住宅は大きく「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」の2種類に分けられます。「軸組工法は点を結ぶように構造物を造っていく工法で、枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)は面を組み立てて構造物を造る工法です。前者は日本の伝統工法によるもので日本古来の「在来工法」とも呼ばれ、日本における建物構造のスタンダードとなっています。

後者は北米由来の構造になり、一戸建てはもちろん、現在では4階建てまでのアパートにも採用されています。

S造(Steel)… 鉄骨造

柱や梁など骨組みに鉄骨を使用した構造のことで、粘り強さがあり、軽量でしなやか。S造には、高層のビルやマンションなど、大規模建築物に用いる重量鉄骨造と、2~3階建ての一般住宅や小規模店舗などで用いられる、軽量鉄骨造の2種類があります。

RC造(Reinforced Concrete)… 鉄筋コンクリート造

主に柱や梁、床・壁が鉄筋とコンクリートで構成されていて、鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めたものになります。引っ張る力に強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートのお互いを補強し合い強化。これにより、マンションに必要な高強度を出しています。

ちなみに、RC造を用いた住宅の法定耐用年数は47年です。しかし、建物の耐用年数と実際の寿命は異なります。正しくメンテナンスをしていれば、耐用年数を超えて住み続けることも可能です。

SRC造(Steel Reinforced Concrete)… 鉄筋鉄骨コンクリート造

柱や梁、床、壁などの主要構造部が、鉄骨、鉄筋、コンクリートで構成されている建物の構造を言います。それぞれの部位に、鉄骨の芯が入っている点がRC造との違いになります。高層のマンションやビルなど大規模物件に活用されています。

住宅の工法や構造の基礎知識

注文住宅や新築一戸建てを検討する上で、先述もしましたが日本のハウスメーカーや工務店の多くは「木造軸組工法」、いわゆる日本古来よりの工法である「在来工法」という木造の住宅工法が主流になります。では、「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」ではどのような違いやメリットがあるのかについて解説していきます・

木造軸組工法(在来工法)

日本で昔から用いてきた伝統の木工法を発達・発展させた工法で、別名で「在来工法」とも呼ばれています。柱と梁によって建物を支えるのが特徴です。一般的に木造ときいてイメージするのは、おそらくこの工法でしょう。

コンクリートの基礎に柱を立て、そこに梁を組み合わせてフレーム状の骨組みをつくり、壁や屋根などを取り付けて建築します。「線で支える」という表現がされることもあります。柱と梁でつくられる枠の中に「筋交い」と呼ばれるX字状の建材を入れることで補強し、「耐力壁」を設けます。この耐力壁を適切に配置することで、高耐震・高耐久を実現することもできます。

各部材の接合部は金物を使って接合されており、この金物の種類や質によって、耐震性や耐久性に差が出てきます。

建築の現場には木材の取り扱いに長けた経験者が必要で、施工する職人の腕によって完成の質にバラつきが出ることがあります。

木造枠組工法(2×4、2×6)

一方で木造枠組壁工法は、戦後に北米から輸入されたツーバイフォー(2×4)工法が代表的です。木製パネルと角材(2インチ×4インチ※)でつくったパネルで壁や床、天井という面をつくり、この面を組み立ててできる6面体の構造をベースに家を建てます。輸入住宅やログハウスなども基本的に面の構成なので、木造枠組壁工法の一種といえます。主に低層集合住宅などに用いられるコンクリートの壁式構造も同じ考え方です。

角材のサイズによって、ツーバイシックス(2インチ×6インチ)、ツーバイエイト(2インチ×8インチ)、ツーバイテン(2インチ×10インチ)などの工法があります

高断熱

「木造軸組工法」のメリット

では具体的に、「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」のメリットや違いについて見ていきましょう。

間取りの自由度

木造軸組工法は点と点を結ぶように柱や梁を備えるため、点の位置によって空間のカタチやサイズを自由に決められます。そのため1つの面のサイズが決まっている木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)と比べて、あと何センチ広げたいとか、斜め方向に張り出したいといったことにも対応しやすくなります。例えば階段の下に収納をつくるなど自由に空間をつくり出しやすく、狭小地や変形地でも土地の形状に合わせて敷地を有効に使いやすい工法になります。

完全自由設計

大きな開口部をとりやすい

木造軸組工法では点と点の距離が自在なので、面で構造物を支える木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)と比べて壁(面)を抜きやすいメリットがあります。そのため柱と柱の間隔があいた大空間のある間取りや、大開口の窓をつくりやすくなります。天井を大きく開けた大開放のリビングであったり、大きな天窓を設置して陽光を取り入れたりなど、窓の設置やサイズにおいても自由度が高いといえます。

リフォームやリノベーションの間取り変更や増改築がしやすい

間取りの自由度や窓や建材のサイズや自由度が高いことは、建てた後のリフォームなどでの間取り変更にも有効です。子どもたちが独立したのちに夫婦2人の生活に合うような間取りにするとか、あるいは子ども夫婦と同居して二世帯住宅にするといったことに対応しやすい工法になります。

とは言え、新築時の設計とは違い建物を支えるためには抜けない柱や壁も出てきますので、その点は注意が必要になります。

一方で木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)は壁で建物を支えるため、抜けない壁が多く、空間を後から広げることが比較的難しくなります。また木造軸組工法は昔からある工法のため、大手ハウスメーカーだけでなく地元の工務店など、手がける施工会社が多く、必ずしも新築時に依頼した業者にリフォームを依頼するとは限りません。その点、木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)はメーカー独自の工法があったりするので、たいていは新築時の施工会社に依頼する必要があります。

CRASTY

「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」のメリット

では次に、「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」のメリットや違いについて見ていきましょう。

耐震性

現在の耐震基準や建築基準法をクリアして耐震等級やしっかりとした耐震性を確保するのは当たり前ですが、在来工法と比較した場合では、やはり面で構成する木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)のほうが有利といえます。

木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)の、パネルを組み立てて6面で支える構造はモノコック構造とも呼ばれ、飛行機や新幹線、F1マシンなどにも採用されているほど強固な構造なのです。そのため耐震性に木造軸組工法よりは優れていると言えます。

木造軸組工法も耐力壁や柱、梁の配置で十分地震に強い家をつくれます。例えばリビングの庭側に大きな開口部を備える場合、耐力壁を開口部の周囲に設けるなど、きちんと構造計算をして耐力壁などをバランス良く配置することが大切です。

また、最近発生した「能登半島地震」や「熊本地震」など、日本で起きる地震は縦揺れであったり横揺れであったり、震度やマグニチュードの大きさも異なります。そのため、いくら木造枠組壁工法(2×4工法)のほうが耐震性有利と言っても油断はできません。「木造軸組工法」でも「木造枠組壁工法(2×4)工法)」でも、しっかりとした耐震性を確保することをおすすめします。

防火性

柱と柱の間を空けられる木造軸組工法と比べて、面の多くなる木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)のほうが、面で炎を跳ね返しやすくなるため、防火性で有利です。

とはいえ高い耐火性が求められる防火地域や準防火地域でも木造軸組工法で建てられているように、外壁材など防火性能の高い素材の選び方次第で、木造軸組工法・木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)どちらでも十分防火性を高めることができます。

モデルハウス見学会4

木造住宅における「地震に強い家」とは?

木造住宅をはじめとする建築物の耐震基準は、建築基準法に基づき定められています。現行の耐震基準(新耐震基準)は、昭和53(1978)年の宮城県沖地震後に見直された結果、昭和56(1981)年に導入され、木造住宅については、必要壁量の増加が行われました。

その後、平成7(1995)年に発生した阪神・淡路大震災における被害等を受けて、平成12(2000)年に「建築基準法施行令」の改正と告示の制定・改正がなされ、木造住宅の基礎の仕様や接合部の仕様、壁配置のバランスのチェック等、同震災の被害調査で指摘された箇所への対策の明確化等が行われました。

その結果、建築基準法における現行の耐震基準では、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊するおそれのない建築物とすることを定めています。

構造や工法の違いによる耐震性の比較について

建築基準法における現行の耐震基準では、木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造といった構造種別に関係なく、また同じ木造住宅でも在来軸組、ツーバイフォー、木質パネルといった工法に関係なく、震度6強~7に達する程度の大規模地震でも倒壊・崩壊するおそれのない建築物とすることを定めています。

さらに近年では、住宅性能表示制度や長期優良住宅制度の制定に伴い、建築基準法の求める耐震性能の1.5倍以上の性能(住宅性能表示制度 耐震等級3)を持つように設計される建物が増えてきています。これらのように、構造や工法の種類に関係なく、設計の工夫によって高い耐震性を持つ住宅の実現が可能になります。

木造住宅の耐震性を高めるためには

住宅の耐震性を高めるには、「耐震診断」という診断を受ける必要があります。「耐震診断」とは、住宅の耐震性能を耐震診断士が評価し住宅の耐震性能を査定します。その結果、倒壊する可能性があると判定された場合には、基礎や壁の補強といった耐震改修工事の実施により、耐震性を高めることができます。詳細については、別の記事でもご紹介していますので下記リンクをご参照ください。

耐震診断や耐震改修工事における各自治体の補助金制度

全国のほとんどの自治体で耐震診断や補強設計、耐震改修工事を実施する際の補助事業(補助金制度)が実施されています。条件は各自治体や年度ごと、また建物の規模などにもよって異なりますが、数万円から数百万円の補助を受けられるケースがあります。

また東京都では、平成23年3月18日に公布された「東京における緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例(東京都条例第36号)第8条第1項に規定する特定沿道建築物は平成24年4月1日以降に義務化が開始されました。

「地震に強い家」にするために大事な「地盤調査」

木造住宅をはじめとする建築物自体を、耐震基準や耐震等級をクリアするよう補強したりする人は多いですが、家を建てるうえで以外と知らないのが「地盤」についてです。当たり前のことですが、しっかりとした「地盤」に家を築かなければ地震が発生した際に、建物が倒壊したり、傾いたり、地盤沈下したりといったケースも少なくありません。以下、「地盤改良」の必要性についてご紹介します。

建物の安定性の向上

地盤改良は、地盤の持つ支持力を高め、建物の安定性を向上させます。これにより、地震による建物の倒壊や大きな損傷を防ぐことができます。

液状化対策

液状化対策としての地盤改良は、液状化のリスクが高い地域において特に重要です。地盤を固めることで液状化を防ぎ、建物やインフラの安全を守ります。

経済的損失の軽減

強固な地盤上に建設された建物は、地震による損傷が少なくなるため、修復費用や再建費用の軽減につながります。

地震大国日本において、地盤調査と地盤改良は、人命と財産を守るために欠かせないプロセスです。地震発生時のリスクを事前に把握し、適切な対策を講じることが、地震被害の軽減に直結します。

まとめ

さて、今回は「木造住宅×地震」をテーマにご紹介してきましたが、記事はいかがでしたでしょうか?

一口に「木造住宅」と言っても、「木造軸組工法」と「木造枠組壁工法(ツーバイフォー(2×4)工法)」がありますし、木造だけでなく、鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)、SRC造(鉄筋鉄骨コンクリート造などの造りもあります。

自分の現在の住まいについて調べたり、今後建てたい方は、家の工法や構造を理解したりしておくといいでしょう。

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